東アジア世界における儀礼文化の比較歴史学的研究をおこなうために、本研究では金石文資料を主たる分析対象とした。多様な金石文資料を調査・検討したが、特に墓誌・買地券・墓碑や舎利荘厳に注目し、喪葬儀礼との関連を中心に考察をおこなった。より高度な金石文資料調査の方法論を模索すべく、他の研究者との連携による拓本調査も積極的に実施した。それらの成果は口頭報告や学術論文として発表した。礼制・儀礼文化に関する基礎的研究についても継続しておこない、共著書『大唐元陵儀注新釈』を刊行するとともに、服喪を中心とする考察をおこなった。最終年度には本研究課題の成果も盛り込んだ単著『日本古代の喪葬儀礼と律令制』を刊行した。
|