研究課題/領域番号 |
24720302
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
河西 晃祐 東北学院大学, 文学部, 教授 (10405889)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 大東亜共栄圏 / 異文化問題 / 異文化交流 / 日本・東南アジア関係史 |
研究概要 |
平成24年度には、3年間の研究事業「異文化問題としての『大東亜共栄圏』の研究」の基盤作りを目指した。具体的には防衛庁防衛研究所および外務省外交資料館所蔵関連資料の目録化を進め、あわせて基礎資料の購入・収集に努めた。 具体的には例えば「大東亜共栄圏」の実地において種々の政策を担当した政策決定者の史料として、『渡邊渡少将軍政関係史・資料』(全五巻、龍渓書舎)を購入し、読解を進めている。同資料集は「馬来軍政」に直接関わった人物の日記、軍籍に収集した一次史料などからなる基礎資料である。その中でも『民族対策参考資料』などは大東亜建設審議会などの方針がどのように、現地の統治に携わった政策主体らに引き継がれたのかをうかがうことのできる資料である。 また平成24年度は、「大東亜共栄圏」に関わる二次史料の刊行が相次いだ年でもあったが、今年度は、後藤乾一『東南アジアから見た近現代日本-「南進」・占領・脱植民地化をめぐる歴史認識』(岩波書店、2012年)、中野聡『東南アジア占領と日本人-帝国・日本の解体』(岩波書店、2012年)、安達宏昭『「大東亜共栄圏」の経済構想-圏内産業と大東亜建設審議会』(吉川弘文館、2012年)の三点の書評執筆を引き受けて執筆した。 以上のように今年度は一次史料・二次史料の収集・解読に努め、平成25年度以降の事業を進める上での基盤形成を行うことが出来た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究の目的」では、平成24年度は国内資料の資料調査及び、史料収集を行うことを計画していたが、上記「研究実績の概要」に述べたとおり、おおむねその目的は達成できたと判断できる。 しかしながら可能であれば今年度から取りかかりたかった国外資料館の所蔵調査を行うことが出来なかった。よってその点は今年度以降の課題としていきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度においては、前年度に引き続いて国内の史料調査として、防衛庁防衛研究所、外務省外交資料館に加えて、早稲田大学社会科学研究所所蔵「西嶋コレクション」、防衛庁防衛研究所図書館保管軍政関係史料、そしてアジア経済研究所の「岸幸一コレクション」などの資料集を進めていく。また併せて国外の資料館の所蔵調査に趣き、資料集に努めていく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に引き続き、国内の大学図書館等でもまとまった形では所蔵されていないシリーズ『南方軍政関係資料』に含まれる一次資料集の購入を進め、資料整備状況の改善を図っていきたい。
|