最終年度にあたる本年度は、以下の研究を実施した。 1.昨年度刊行した拙著『近代公娼制度の社会史的研究』の書評会が開催され、成果と課題を整理することができた。現在、書評にたいするリプライを執筆中である。 2.書評会での論点整理等をふまえ、問題視角をブラッシュアップし、芸娼妓解放令の歴史的意義をあらためて検討するため、前年度から継続して実施している東京都公文書館所蔵の芸娼妓解放令関連史料の翻刻・分析をさらにすすめた。本年度は、とくに山梨県の芸娼妓解放令に焦点をあてて検討をすすめた。研究の成果は論文化の予定である。 3.次年度以降の研究の進展にむけて、民事判決原本(国際日本文化研究センター所蔵)の娼妓・芸妓関連判決例の収集と整理をおこなった。
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