本研究の成果としては、まず第一に、平成24年度に、日宋・日元仏教交流研究の足掛かりとなる僧伝史料の網羅的な収集とその書誌的な考察がある。これについては平成24年度に『南宋・元代日中渡航僧伝記集成 附江戸時代における僧伝集積過程の研究』を上梓することができた。第二には、平成26年度に、国際日本文化研究センターで「中世禅籍テクストデータベース」の公開を行なった。第三には、日中仏教交流の現場となった日本・中国の史跡の踏査を行ない、その地理的環境や考古遺物など、文献に限定されない「資料」の収集に努めた。第四には、日中仏教交流との比較のために、中央アジア・東南アジアの仏教交流史跡の踏査を行なった。
|