本研究は、19世紀のオスマン帝国で活動したムスリム(イスラーム教徒)知識人の言説に見える帝国意識や文明意識のあり方を解明することをめざして、当時のオスマン・ムスリムの知識人が帝国の内外で発行した新聞・雑誌・パンフレットなどの刊行物を分析し、当時のオスマン帝国が抱えていた諸問題および世界史的文脈にも留意して、彼らが抱いていたオスマン帝国版の帝国意識・文明意識のあり方を考察した。3年間の研究で得られた成果は、著書2編、学術論文2本、学会報告1回において発表することで、オスマン版の帝国意識の存在を学界・社会に発信した。
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