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2014 年度 実績報告書

政策決定のプロセスにみる清末垂簾聴政の構造と特質

研究課題

研究課題/領域番号 24720322
研究機関三重大学

研究代表者

大坪 慶之  三重大学, 教育学部, 准教授 (30573290)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード垂簾聴政 / 政策決定過程 / 西太后 / 光緒帝 / 皇帝親政 / 清末 / 軍機大臣
研究実績の概要

最終年度となる平成26年度は、皇太后が政策の決定権を持ち、親王ら皇族が補佐する垂簾聴政期の清朝中央における政策決定のあり方を解明し、その構造と特質を明らかにするという研究目的を達成するべく、関連史料の収集に努めた。昨年度末に発表した論文にて、皇帝が親政していたにもかかわらず、西太后が権力を握っていたと一般的に言われる1890年代の政策決定過程において、皇帝親政という建前と、政策決定への関与に意欲をみせる西太后の存在という現実の間で折り合いをつけるために、様々な工夫がなされていたことが分かった。そしてこの成果から、垂簾聴政から皇帝親政へという流れの中で、西太后がどのように位置づけられていたのかが課題の一つとして浮上してきた。また第二の課題として、皇帝が成人した後も西太后が政策決定に関与し続けることを可能にした体制が、どのように作られていったのかという問題もある。
そこで本年度の海外調査では、上記の課題にしたがって史料を収集した。第一の課題については、昨年度に引き続き中国社会科学院近代史研究所に所蔵される書簡を利用し、当時の政策決定のあり方を具体的に分析するために、既に出版されている史料の把握に努めた。とりわけ、当時の清朝中央における軍事・行政上の最高機関とされる軍機処の大臣が授受したものを閲覧した。第二の課題については、台北にある故宮博物院図書文献館に所蔵される軍機処関係の行政文書から、垂簾聴政、皇帝親政当初に実施された西太后が訓示を与えつつ政策を決定する訓政、本格的な皇帝親政という各段階への移行に際し、親王ら皇族を中心とする臣下側がどのような動きをみせ、如何なる体制を構築しようとしたのかを探るべく史料を閲覧・収集した。

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公開日: 2016-06-01  

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