研究概要 |
本年度は、国際学会での発表1点(①"The Biblical Origin of the Ottoman Dynasty in 15th and 16th Century," 6th Annual International Conference on Mediterranean Studies, 26 March 2013, St George Lycabettus Boutique Hotel (Athens))、国内の学会での発表2点(②「「愛国」なき国民史-オスマン帝国-アブデュルハミトニ世専制下における歴史教科書の分析」日本中東学会第29回年次大会、2013年5月12日、大阪大学、および③「忠誠と反逆-15世紀のオスマン朝歴史叙述におけるオスマンとセルジューク-」九州史学会平成25年度大会、2013年12月8日、九州大学)をおこない、単著として④『イスラーム世界における王朝起源論の生成と変容―古典期オスマン帝国の系譜伝承をめぐって―』(刀水書房)を出版した。 ①、②および④はオスマン帝国前近代における歴史叙述を取り扱っており、前近代の歴史叙述と近代の歴史叙述との連関を視野に入れた本研究テーマを進めるにあたって、前提となる内容である。③はオスマン帝国近代の歴史教育を扱った内容であり、前近代の歴史叙述と、トルコ共和国初期の歴史叙述の橋渡しとなる時代を対象としている。オスマン帝国(およびそれにつながるトルコ共和国)の国民化が進展した時代であり、ナショナリズムと歴史叙述の関係を論ずる際に重要だといえる。
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