研究概要 |
本研究は、19世紀後半期に連合王国主導で整備されるアイルランドの総合大学、特に1849年に設立されたクィーンズ大学を、以下の三つのテーマ、(a)新設大学設立の請願と連合王国議会の反応(1830年代~1850年代)、(b)クィーンズ大学の入学者・卒業生に関する数量的考察 (1849年~1880年)、(c)教育内容の変化に関する実証的考察 (1849年~1880年)を設定し、分析を行うことを目的としている。 平成24年度は上述した(a)大学新設請願運動と連合王国の反応、というテーマを中心に研究を進めた。具体的には、(1)予備的な考察として、'19th & 20th c House of Commons Papers' などデータベースを活用し、議会議事録、委員会資料の収集、分析を行う、(2)アイルランド・コーク (Cork City & County Archives, University College Cork Library, University Archives) およびダブリン (National Archives of Ireland, National Library of Ireland, Trinity College Dublin, University College Dublin Archives, Royal Irish Academy ) での現地調査を行う、(3)収集した史資料の整理、論点の確認し、本格的な分析の準備を行う、という作業を行った。今後これらの作業に基づき、実証的な考察を進める。 これらの作業と並行し、歴史学研究会大会近代史部会においてコメント報告ならびに第二回日韓若手歴史研究者交流会議において口頭報告を行い、国内外の研究者に対して研究成果を公表するとともに、研究を進める上での示唆を受けた。
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