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2014 年度 実績報告書

戦間期ハンガリー「人種福祉国家」の社会史

研究課題

研究課題/領域番号 24720338
研究機関千葉大学

研究代表者

姉川 雄大  千葉大学, アカデミック・リンク・センター, 特任助教 (00554304)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード戦間期 / ハンガリー / 社会政策 / 自由主義 / 権威主義 / 人種主義
研究実績の概要

本研究は全体として、戦間期ハンガリーの社会政策を代表する「全国民衆家族保護基金」の在地組織の活動を分析し、社会政策と人種主義政策の結節点ともなった「健康で健全な家族」による国民の再生産という論理が、いかに国家と社会の協働の中で機能したかということを明らかにするものであった。社会政策と人種主義の同根性そのものについては、国家の政策全体のレベルで明らかにされているため、本研究の焦点はこの政策を現場で支えた在地社会の役割を明らかにすることに集中した。
この中で本年度は、平成24年度および25年度から継続してヨーロッパ自由主義史関連資料・ヨーロッパ戦間期史関連資料等の収集や、平成26年度までに収集した現地文書館史料の整理を行った。また「全国民衆家族保護基金」に関する一部の刊行史料の調査・収集を追加する必要が明らかになったため、本研究における最終的な現地調査を行い、この調査によって得られた資料を含む史資料を分析することによって、成果をまとめるに至った。
この調査・分析は、具体的には「全国民衆家族保護基金」による施策の目的と全体像の整理、同基金に先立って、またはこれとともに貧困家族支援の活動を行った社会団体と同基金を通じた国家レベルの政策の関係の分析、貧困家族を支援する担い手の国家および在地社会それぞれにおける位置付けの整理を目的として行った。これによって本研究は、戦間期ハンガリーの社会政策において国家と社会が共有していた価値は「生産的」な家族の促進であったこと、国家はそれを担うための新たな「専門家」の創出と管理を目指したこと、しかし実際にはむしろ在地社会の規範が優位に機能することによってこれが実現していたことを明らかにした。
以上の成果は本年度末に論考の形でまとめ、公開した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 戦間期ハンガリーの「生産的社会政策」における国家と社会2015

    • 著者名/発表者名
      姉川雄大
    • 雑誌名

      人文社会科学研究科研究プロジェクト報告集(1920年代の国際関係における地域と地域構想の再編)

      巻: 第286集 ページ: 7-16

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公開日: 2016-06-01  

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