研究課題/領域番号 |
24720366
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
石村 智 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 研究員 (60435906)
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キーワード | パラオ / 南洋群島 / 水中考古学 / 水中文化遺産 / 戦争遺跡 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究はパラオをはじめとする南洋群島(ミクロネシア地域)における日本統治時代および第二次世界大戦に関連した戦争遺跡の調査をおこない、その保存状況を記録し、その活用法を探ることを目的とする。特にパラオ港内に40以上存在するといわれる沈没艦船について、水中考古学的な調査をおこない、その水中文化遺産としての価値を探るとともに、その保存・活用を現地当局と協力しながら検討することを、特に重点的に取り組む。 平成25年度は、昨年度までにパラオで調査した日本統治時代の遺構および第二次世界大戦における戦争遺跡に関連した日本側の情報の収集に重点を置き、特にパラオ引き揚げ者およびその家族の方を対象に聞き取り調査をおこない、当時の状況についてデータ収集をおこなった。特に宮城県刈田郡蔵王町北原尾村は、パラオから引き揚げた元移住者が戦後に再移住し開拓した村であり、そこで現地調査を実施し、日本統治時代のパラオの様子について詳細な情報を得ることができた。加えて、日本国内の海事関連の博物館・資料館において、特に文献の調査をおこなうことで、パラオに所在する沈没艦船の来歴調査を実施した。 なお平成25年度には現地調査をおこなわなかったが、現地側との調整の結果、平成26年度の前半に実施することとなった。その分の使用しなかった助成金は平成26年度に繰越しし、その調査費用に充てる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度には、当初予定していた現地調査をおこなわなかったが、現地側との調整の結果、予定していた現地調査を平成26年度の前半に実施する予定である。これは現地調査をより円滑に進めるための日程変更であり、全体の研究の進行に大きな影響をおよぼすものではない。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、前半に昨年度実施できなかった現地調査を実施するとともに、ハワイで開催されるアジア太平洋地域水中文化遺産会議に参加し、国外の研究者と情報交換をおこなう。 また本年度は最終年度にあたるため、これまでの成果をとりまとめ、報告書を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に実施予定の現地調査の日程を、平成26年度に変更したため。 平成26年度前半に、現地調査を実施し、繰越分を使用する予定である。
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