研究課題/領域番号 |
24720371
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山下 亜紀郎 筑波大学, 生命環境系, 助教 (60396794)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 流域 / 水需給 / 水利用 |
研究概要 |
本研究ではまず、日本の一級水系109流域を対象とし、流域の水需給を定量的に把握しうる指標に関するデータを収集し、データベースを構築した。具体的に水資源容量に関する指標としては、降水(雪)量、蒸発散量、水需要に関する指標としては、人口、製造業事業所数、土地利用のデータを用いた。これらのデータの大半は、関係省庁などのホームページにおいてメッシュ単位で公表されているので、GISデータとしてダウンロードし、流域単位で集計したデータベースとしてコンピューターに格納した。人口や製造業事業所数については、水使用原単位を乗じることで水需要を試算した。土地利用データも同様に、各項目ごとに面積当たりの水使用原単位を乗じることで水需要を試算した。以上によって収集・算出した指標を用いて、各流域の供給ポテンシャルと需要ポテンシャルを導出し、両者の比から需要の逼迫した流域を抽出した。 水需給の逼迫した地域としてまず、日本の首都として人口や産業がもっとも集積している東京都を対象に、都市用水利用の歴史的変遷について、現地の関係機関における資料収集を中心に調査を実施した。そして、とくに地下水と表流水という2つの水源に着目しながら、20世紀の100年における水需給体系の空間構造の変容について明らかにした。 次に、流域単位の水供給ポテンシャルと水需要ポテンシャルの比から、相対的に水需要が多いと位置づけられた流域として、兵庫県の加古川流域、広島県の芦田川流域、佐賀県の六角川流域を事例に選定した。そして、各流域における現地の関係機関にて、水環境・水資源・水利用に関連する資料収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
流域水需給データベースについては,ほぼ完成させることができ,相対的に需要の逼迫した事例流域を抽出した.その事例流域における詳細な水利システムの調査は,次年度に持ち越したが,すでに調査に取り掛かっており,基礎的な資料は収集できた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度3つ抽出した事例流域の中から,まずは1つを選定し,さらに詳細な水利体系についての現地調査を実施する.
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次年度の研究費の使用計画 |
選定した流域への現地調査の旅費および現地での資料収集にかかる費用として使用する.
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