本研究では、都市の歩きやすさ「ウォーカビリティ」と住民の健康との関連性を、地理空間情報やその他の統計情報から算出した客観的住環境指標、アンケート調査による主観的住環境評価・健康評価に基づいて解析した。住宅・土地統計調査の結果を利用した解析では、ウォーカビリティ指標の空間分布傾向と相互の関連性が示された。静岡県袋井市を対象としたアンケート調査では、住民の主観的住環境評価の地域的な差違が検出され、また欧米の既存研究で用いられているウォーカビリティ指標が、日本の都市空間においては適切ではない、あるいは欧米とは異なる解釈を要する場合があることが明らかになった。
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