研究課題/領域番号 |
24720382
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
駒木 伸比古 愛知大学, 地域政策学部, 助教 (60601044)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 超高齢社会 / ドラッグストア / 地理情報システム / 医薬品 / 空間分析 |
研究概要 |
本年度は,これまでとりまとめてきた日本国内ドラッグストア業界における各企業の動向や最近の出店トレンドについて,国内外にて学会発表を行った。その際に,ドラッグストアチェーンを「都心からの距離」と「中心性」の2つの軸によって説明できることが地理学的な見地のひとつであることを確認した。また海外発表においては,日本のように医薬品だけでなく食料品をはじめとした多様な商品を扱う業態であることが注目された。 さらに,日本におけるドラッグストア出店先進地域である愛知県を対象とし,その立地展開を「超高齢社会」をキーワードとしてGIS(地理情報システム)をもちいて分析した。その結果,ドラッグストアの競合が高い地域であり,仮に今後の店舗の出店速度が低下した場合,需給,特に高齢者に対する空間ミスマッチが高まることが予想された。なお,愛知県で最も店舗の多いチェーンであるS社は,在宅医療介護・訪問介護といった地域医療に取り組んでいる。訪問介護ステーションや老人ホームといった医療看護施設の運営や連携などをはかっており,「地域医療拠点」としての役割を果たすことが期待される。その一方で,郊外部では大規模ドラッグストアが立地していた。このように様々なタイプのチェーンが都市・郊外に立地する愛知県は,次年度以降の研究を行う際の対象地域として有力であるといえる。その際に,「チェーン」という流通地理学の視点および「高齢者に対する地域医療拠点」という社会,福祉地理学の視点が求められることを確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外で研究発表は行ったが,海外事例については,まだとりまとめの段階にある。さらに,現在のドラッグストアの立地動向については地理情報システム(GIS)を用いてある程度定量化を行えたたものの,その結果を用いた立地シミュレーションを進めて行く必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
日本におけるドラッグストア業界の特異性,地域性を相対的に示すためにも,アメリカ合衆国をはじめとする先進地域での研究動向について取りまとめを行い,学会や学術雑誌にて発表していく。また,1年目で行ったドラッグストアの立地動向に関する定量的結果をふまえ,,立地シミュレーションや需給バランスの測定を行っていく。さらに,各企業および地域住民の医薬品に関する利用状況,購買行動についても,次年度のアンケートにむけてヒヤリングを開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
設備備品については,国内・海外文献の購入に使用する。消耗品については,文具に使用する。国内旅費については,現地調査及び学会発表参加費に使用する。人件費・謝金については,研究補助(店舗データ入力)に使用する。その他については,文献コピーやアンケート印刷などに利用する。
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