研究概要 |
2012年度は特に戦後日本の河川敷空間をめぐる政治的状況を明らかにするために、東京の国立国会図書館や都立中央図書館を利用し、資料収集に当たった。また次年度以降に計画している、具体的な対象地域でのフィールドワークの準備を行なった。2012年度の個人的な業績としては、これまで取り組んできた戦後日本の「不法占拠」地区および在日コリアン集住地区に関する研究をまとめる形で、Nihal Perera, Wing-Shing Tang (eds) Transforming Asian Cities: Intellectual Impasse, Asianizing Space, and Emerging Trans-Localities.に所収される、「The Struggle for living space: Ethnicity, housing, and the politics of urban renewal in Japan’s squatter areas」や「戦後、消滅した在日朝鮮人の集住地区」(、『コリアンコミュニティ研究』3号)を執筆した。なお、本研究に関連して、2012年度「未来の京都創造研究事業」における「二条駅周辺の再開発とまちづくり~「立地創造の視点」から~」(代表:加藤政洋)のプロジェクトに関与し、報告書『二条駅周辺の再開発と〈まちづくり〉』(2013年3月、150部発行)の編集に携わった。このほか、神戸市長田をフィールドにする若手研究者とともに「共在の場を考える研究会」の運営にも携わり、『生存学vol.6』に共著論文「神戸長田の記憶風景を描きなおす」を執筆した。
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