研究課題/領域番号 |
24720383
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
本岡 拓哉 同志社大学, 人文科学研究所, 助教 (60514867)
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キーワード | 河川敷 / 不法占拠 / 居住 / 都市 / 都市社会地理学 |
研究概要 |
2013年度は、特に戦後日本の河川敷空間をめぐる政治的状況および社会的状況を明らかにするために、資料調査やフィールドワーク調査を実施した。具体的には、熊本市白川地区や神戸市長田区新湊川地区を対象にフィールドワークを行った。熊本市白川地区には2013年12月に現地調査を実施し、熊本県立図書館で行政資料や新聞記事などの資料収集にあたった。その調査結果については、2014年3月に開催された日本地理学会春季学術大会(於:国士舘大学)にて、「戦後都市における河川敷居住の存続要因:熊本・白川を事例に」というタイトルで報告を行ない、一級河川白川をめぐる政治的社会的状況について明らかにした。また、神戸市長田区新湊川地区については、「共在の場を考える研究会」との共同調査の中で、様々な関係者とのまち歩きを通じて、河川敷空間およびその周辺をめぐる多様な記憶を記録する活動を実施した。なお、ここでのの成果は2014年度中に報告書を作成する予定である。さらに、2010年以来、研究対象としている大阪の大川沿いに存在した桜ノ宮龍王宮については、映像資料『龍王宮の記憶』の作成を進めた。なお、この映像資料については2013年度中に完成させる予定であったが、諸々の事情により、2014年度に延期することになった。 このほか個人の業績としては、『人文地理学事典』(丸善出版、2013年刊行)に「居住地域分化」の項目を、また『社会調査事典』(丸善出版、2014年刊行)に「スラム」の項目を担当し、これまでの研究成果を活かすことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究成果をふまえながら、資料調査、フィールド調査を実施し、おおむね研究目的を達成しつつはあるが、当初今年度に完成を予定していた、大阪市の大川沿いの河川敷に存在した桜ノ宮龍王宮に関する映像資料の作成が次年度と延長なった。また予定した静岡県安倍川地区への調査も実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究については、残された研究費を有効に活用し、研究計画をふまえながら精力的に研究・調査を実施し、随時、論文投稿や関連学会での報告などを実施する。2013年度中に残された課題についても着実に取り組んでいく。また、研究期間最終年であるため、これまでの研究成果を報告書の形でまとめたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度中に完成を予定していた『龍王宮の記憶』映像集作成が遅れており、その完成が次年度以降に延びたため。また、静岡県安倍川地区での現地調査も予定していたが、それを実施することができなかったため。 次年度に繰り越した研究費については、『龍王宮の記憶』作成に関する経費として活用する。映像制作料および協力者への謝金として利用する予定である。また、静岡県安倍川地区の調査を実施し、現地調査で収集したデータをまとめるための謝金としても使用予定である。
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