研究課題/領域番号 |
24720387
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
大川 真由子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (70571818)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | オマーン / 移民 / ネットワーク / 人類学 |
研究概要 |
本研究は、インド洋海域のネットワークをオマーン移民の視点から解明することを目的としている。年度前半は所属先および国立民族学博物館において文化人類学や歴史学、ネットワーク研究に関する文献を収集し広く検討した。 年度後半には約2週間の現地調査(オマーンの首都マスカット)を実施した。オマーンでは、近年東アフリカに支援活動をおこなっているイスティカーマ慈善協会の関係者に聞き取り調査をおこない、それと並行してオマーンのスルターン・カーブース大学内に3年前に創設されたオマーン研究所や大学図書館、近年精力的に史料編纂をおこなっている文化遺産省を中心に、オマーンと東アフリカのネットワークに関する史資料を収集した。また、かつて研究員として在籍したスルターン・カーブース大学の歴史学者らと意見交換をした。 帰国後は所属機関の東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所にて、研究発表をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年ぶりに海外調査を実施し、有益なデータを入手できたから。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は予定されているアフリカ調査を実施する。ザンジバル島にて約1か月の海外調査を実施し、オマーン移民の民族誌的調査および19世紀以降のオマーン移民のネットワークに関する文献調査をおこなう。具体的には、オマーン在住のアフリカ系オマーン人によっておこなわれている東アフリカ諸国への宗教復興支援活動について、とくに援助によって建設されたイスティカーマ学院(宗教学校)関係者へのインタビューを実施する。ザンジバルの国立古文書館では、19世紀半ばにオマーン移民が刊行した新聞や研究書、イギリス植民地政府の史料を収集し、オマーンとザンジバル間の送金状況や、当時のオマーン移民のグローバルなネットワークを再構成する。ザンジバルにはすでに滞在経験があり、平成18年以来同地の大学教員や文書館館長、宗教指導者らと面識があるため、調査に支障はない。
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次年度の研究費の使用計画 |
大半は1ヶ月近くの現地調査に充当する。初年度のように、パソコンなどの比較的大きな支出はないので問題はない。
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