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2014 年度 実績報告書

階級からみるオリシャ崇拝の変容:アフリカ由来の神を崇拝するアメリカ黒人の社会運動

研究課題

研究課題/領域番号 24720389
研究機関京都大学

研究代表者

小池 郁子  京都大学, 人文科学研究所, 助教 (60452299)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード思想哲学・教育 / 社会運動 / 人種・民族 / 階級 / 植民地主義 / 文化人類学 / 移動 / アフリカン・ディアスポラ
研究実績の概要

本年度は、アフリカ系アメリカ人の社会運動にみられる軍事的性格と成員の階級に着目し、社会運動が標榜する主義主張、運動の実践形態と軍事的性格や成員の階級の間にどのような関係がみられるのかに関して研究に取り組んだ。
まず、ブラック・パンサーBlack Panther Party for Self Defenseを取り上げた。ブラック・パンサーは、ブラック・モスレムBlack Muslimの経験を踏まえつつ、20世紀半ばに絶頂を迎えた公民権運動と同時進行するなかで展開された社会運動である。次に、ブラック・パンサーに続き、1960年代後半に、複数のアフリカ系アメリカ人の社会運動の流れを受けて結成されたオリシャ崇拝運動に注目した。そして、二つの社会運動に通底する軍事的性格(暴力性および非暴力性)と成員の階級(階級意識)はどのようなものか、またその軍事的性格や成員の階級は時代とともにいかに変化したのかを考察した。
より具体的には、オリシャ崇拝運動の変容、すなわち、運動がいったん衰退した後の展開に着目したそして、社会運動にみられる軍事的性格が、黒人分離主義の理念(国家内国家の建設)、運動における女性の地位、男性覇権主義的な価値観、国家権力とその暴力の捉え方などとどのような関係にあるのかを検討した。
まとめとして、一つに、社会運動が、軍事的性格に依存することは、二元論的価値観を導くということ、いま一つに、軍事的性格と白人中産階級男性を規範とした男らしさが女性成員を抑圧してしまうということが示された。軍事的性格と白人中産階級男性を規範とした男らしさを獲得することに依拠した社会運動、すなわち近代以降のナショナリズムの手法に則った運動の可能性と限界が明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アフリカ系アメリカ人の社会運動にみる軍事的性格――暴力、男らしさ、黒人性2015

    • 著者名/発表者名
      小池郁子
    • 雑誌名

      軍隊の文化人類学

      巻: 1 ページ: 247-283

  • [学会発表] オリシャ崇拝と「性別」――アメリカ黒人の宗教運動の変容2014

    • 著者名/発表者名
      小池郁子
    • 学会等名
      第73回日本宗教学会学術大会
    • 発表場所
      同志社大学(京都府)
    • 年月日
      2014-09-14 – 2014-09-14

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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