人間の身体という特殊な対象を扱う経済においては、モノの授受に際して情動が強く作用する。この情動の働きは、倫理的課題という形をとって示されることが多いが、同時に特殊な経済関係や社会秩序を作り出す契機ともなっている。本研究では、特に臓器移植、生殖医療、終末期医療に焦点を当てて、やり取りされるモノの特性と行為の特徴を分析し、情動の経済を理解するために必要となる経済人類学の諸概念、および方法論を示した。研究成果は、国内外の学会で発表したほか、また各種論文として出版した。臓器移植については2015年2月に関連する単著を出版した。
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