霊長類三種(ヒト・チンパンジー・ニホンザル)に対するフィールドワークを進め、それぞれの種の遊びに関する実証的研究を行った。野生チンパンジーが社会的遊びを通じて形成する遊び集団の微視的・巨視的構造の時間変動を、バランス理論を用いて説明した。チンパンジーやサルの「子ども社会」の特徴を、社会的ネットワーク分析により定量化し、遊びはコドモ期には親和的関係形成に寄与する機能をもつという仮説を提唱した。チンパンジーのワカモノメス間の同性愛行動の発見は「社会的ふり遊び」の例である可能性を指摘した。トングウェの人びとの子どもの遊び道具が、居住地域の物質的環境に影響を受けることなどを発見した。
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