研究課題/領域番号 |
24730007
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
亀岡 鉱平 早稲田大学, 法学学術院, 助手 (00610289)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / ドイツ |
研究概要 |
当初の計画通り、具体的な法改正及び新法制定(EU法:1985年、1987年、1992年、1999年、2003年、2007年、ドイツ法:1984年、1990年、1992年、1993年、2000年、2004年、2008年、2010年)に焦点を当て、特に生乳クオータの流通性をめぐる法的処理の諸相に関して、各種裁判例も踏まえて検討を行った。この点については、法改正等を扱う注釈書、研究書等の分析を中心に研究を行った。この結果、生乳クオータの法的性質を解明するためには、財産性という点に注目する必要があり、その方法として民事執行法制における強制執行の枠組みにおいて、生乳クオータがどのような扱いを受けると考えられるのかを検討することが重要であることが判明した。 以上の知見を基にドイツにおける強制執行法理及びそこでの生乳クオータの処遇について、ドイツ民事訴訟法コンメンタール等に基づいて検討を加えた。その結果、法制度、学説及び判例においては、生乳クオータは「その他の財産権」として、通常の財産権と同様に財産性が承認されるものであることが明らかとなった。しかし、同時に、通常の財産と同様に扱われてしまうと、生乳クオータ制度の性質上、政策によって財産内容が変動する場合に法的問題が生じる可能性があることが明らかとなった。そこで、今後はこの生乳クオータの財産性をめぐる衝突を法的にいかに回避・解消することができるのか解明することが課題となると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「研究実績の概要」の通り、24年度は当初研究計画通りの課題に着手し、一定の検討作業に従事した。その結果として、同様に上記「研究実績の概要」の通り、新しい知見を入手することができ、それに伴う研究活動に従事することができた。さらに、その成果として研究報告も実施することができた。したがって、研究計画の達成度としては、おおむね順調に進展しているということができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き当初計画通りの研究活動に従事することとなるが、既述の生乳クオータの差し押さえに関する論点が新たに現出したことから、その点に関する研究活動にも積極的に従事する。これに関しては文献研究が中心となるが、適宜資料を収集しつつ、最終的に研究目標に収れんするものとなるよう留意する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画通り関連する専門資料等の購入に充当する。
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