我が国における「警察と行政機関の協働」の要件と限界を、主に児童福祉法制や災害対策法制、青少年保護法制などを素材にして検討するとともに、戦後警察改革の柱である脱警察化を踏まえつつ、行政機関に対する警察の役割について明らかにした。具体的には、ドイツ警察・秩序法に通底して認められる補完性原理(危険防御が他の行政庁によっては不可能あるいは適時には不可能であると認められる場合に限り、警察は他の行政庁の管轄領域内でも活動することが認められる、とする法原理)が、我が国の警察法秩序において、果たして、またどの程度認められるかを、戦後の我が国の警察改革の歴史や学説の展開を振り返りつつ、明らかにした。
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