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2013 年度 実績報告書

憲法秩序への習律導入に関する理論的考察

研究課題

研究課題/領域番号 24730021
研究機関三重大学

研究代表者

内野 広大  三重大学, 人文学部, 准教授 (90612292)

キーワード公法学 / 憲法学 / イギリス憲法学 / 習律
研究概要

本研究は、①わが国制における習律の理論的根拠を探るとともに、②習律の適用範囲を画することを目的とするが、今年度は昨年度と同様①に焦点をあてた。①の考察にあたっては、J. A. G. Griffithの政治的憲法論(以下「政治的憲法論」と略称する。)との対話が有効だが、その内実は容易に把握できるものではない。そこで今年度は、Griffith以外の論者の政治的憲法論を簡単に整理するとともに、Griffith理論の諸解釈を重点的に検討することで、「政治的憲法論」との対話の前提となる条件を整えた。
まず、諸解釈によれば、①の解明にあたり「政治的憲法論」に依拠しても必ずしも不適切ではないということが示唆された。第一に、Griffithの政治的憲法は「規範的」概念である。第二に、「政治的憲法論」は、裁判所による公的決定を一律には否定しないから、法律以外の規範形式の意義を一律に否定するものではない。第三に、「対立の不可避性」を「政治的憲法論」の核心とする見解が「政治」を対立の「操縦」と捉え操縦を可能にする「継続性」も政治に含まれるとしており、政治にも秩序形成の萌芽はある。
次に、「政治的憲法論」に依拠すれば①を解明しうるということが示唆された。第一に、諸解釈によれば、「政治的憲法論」は「理論に対する実践の優位」を説く点で、対象への接し方を問題とする。それは、最終的に国制の単なる記述を超えてその直観までも要求するかについては解釈が分かれるものの、抽象的原理を介せず出来事を記述し或いは行為の諸伝統の暗示を探究することを要求する。実践の優位は、成文の文書の意義に変更を迫りうると考えられる。第二に、かかる実践の優位を支えるものについては、解釈が分かれている。Griffithという人物特有の反権威主義・悲観主義に求める見解もあれば、反権威主義の由来を対立の不可避性と捉え対立に求める見解もある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 習律の理論的根拠についての一考察

    • 著者名/発表者名
      内野広大
    • 学会等名
      日本公法学会(公募報告セッション)
    • 発表場所
      立命館大学

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公開日: 2015-05-28  

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