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2013 年度 実施状況報告書

国際義務の迂回への法的対応の研究:WTO協定中の迂回防止規定の機能に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 24730033
研究機関小樽商科大学

研究代表者

小林 友彦  小樽商科大学, 商学部, 准教授 (20378508)

キーワードWTO協定 / FTA(EPA、TPPや日中韓FTAを含む) / 迂回(circumvention) / アンチダンピング / 農業輸出補助金 / プレーン・パッケージング / 条約の国内実施
研究概要

国際条約上の義務の「迂回」への法的対応に関する研究の一環として、WTO協定中の迂回防止規定の機能に着目して引き続き研究を進めた。
たしかに、国際法学において従来は国際義務の「遵守」をいかに確保するかに焦点が当てられてきた。しかしながら、近年では、一部の条約体制において実体的義務の範囲及び程度が急速に拡大しており、かつ、それらの義務の履行を確保するための手続的義務も強化され、履行確保のための制度が有効に機能する例が見られる。このような段階に至りつつある国際社会において、次なる課題として対応することが求められるのが国際義務の「迂回」の脅威であるというのが、本研究の「研究の目的」において示した要点である。研究課題の採択後、今日においても、このような研究課題の今日的な重要性は、増加していると言ってよい。それゆえ、当初の「研究実施計画」におおむね従いつつ、実証的な分析を続けた。
具体的な成果としては、条約を誠実に国内実施するための枠組みと運用をめぐる現代的課題として、日本と中国における WTO協定履行体制について検討した成果を踏まえ、WTOの国内実施について総合的に検討する形で「迂回」の問題について検討し、その成果の一部を公表した。さらに、WTO協定上の規制の迂回可能性と正当化可能性の関係について、オーストラリアのたばこプレーンパッケージ規制をめぐるWTO紛争を題材に検討し、その成果の一部を公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述のとおり、「研究の目的」と「研究実施計画」に照らしておおむね順調に研究を進展させており、また、複数の媒体において研究成果を公表するなどしたことから、おおむね順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

引き続き、「研究の目的」に示した問題意識を敷衍させつつ研究を推進する予定である。平成26年度は、研究の最終年度として、成果発表に重点を置いて研究を推進していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 規制の迂回可能性と正当化可能性の関係についての覚書―オーストラリアのたばこプレーンパッケージ規制をめぐるWTO紛争を題材に―2014

    • 著者名/発表者名
      小林友彦
    • 雑誌名

      商学討究

      巻: 64(4) ページ: 289-311

  • [雑誌論文] WTOの国内実施の意味するもの2013

    • 著者名/発表者名
      小林友彦
    • 雑誌名

      論究ジュリスト

      巻: 7 ページ: 107-113

  • [学会発表] 世界貿易機関(WTO)と国際法の「立憲化」―紛争処理手続の政治的コントロールの問題を中心に―2013

    • 著者名/発表者名
      小林友彦
    • 学会等名
      世界法学会
    • 発表場所
      帝京大学
    • 年月日
      20130518-20130518
    • 招待講演
  • [備考] 小樽商科大学学術成果コレクションBarrel(研究者ページ:小林友彦)

    • URL

      http://barrel.ih.otaru-uc.ac.jp/researcher?action=viewResearcherPage&researcherId=25

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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