国際法の実効性確保に関わる第三世代の問題として「迂回」を捉え、その包括的な把握を試みた。具体的には、WTO協定中に置かれた明示的または黙示的な迂回防止規定である農業協定10条の他、同協定4.2条、ガット20条、繊維協定5条等の関連規定の機能について、「迂回防止」という機能的な共通性を軸にして統合的に整理するための課題を明らかにした。基本的には、条約規律全体の実効性の観点から「迂回」を抑止する機能を確保するという要請がある一方で、過剰規制とならないようにするためのバランスの取り方が鍵となることを示した。
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