本研究は、島嶼領土の周辺海域管理実行の包括的な研究を通じて、それらが現代海洋法秩序にいかなる影響を及ぼしているかを特定し、「島嶼国際法」の構築を試みることを目的とした。国家実行、国際裁判判例、大陸棚限界委員会(CLCS)の実行の分析から、島/岩を区別する海洋法条約第121条(島の制度)の規定は今日著しく意義を低下させており、この規定に拘泥せず遠隔離島に妥当する新たな周辺海域管理の実行の蓄積が急速に進んでいることが明らかになった。これは、海洋法条約が定め(られ)なかった、遠隔離島が有する広大な海域をいかに管理するかという、真の「島の制度」への一つの答えを提供するものと位置づけることができる。
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