わが国と同様、スウェーデンでは、失業および生活困窮に対する所得保障制度が、社会保険(失業保険)、最後のセーフティネットである公的扶助(生計扶助)および両者の中間に位置する給付(労働市場政策による給付)から成る重層的なシステムとして構築されている。同国の失業保険は、主要部分である所得比例給付が任意保険であるため、加入率が低く、ひいては失業者に対する失業保険給付のカバー率が低い。失業保険の不十分さは、同国における生計扶助の受給率の高さに繋がっていると考えられる。生計扶助では、わが国の生活保護と同様、資産・能力・他施策の活用が要求され、特に能力の活用は裁判実務・行政実務において厳格に要求されている。
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