• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

労働法における契約外規範―ネクサス(Nexus)導入の可能性と意義

研究課題

研究課題/領域番号 24730046
研究機関山口大学

研究代表者

新屋敷 恵美子  山口大学, 経済学部, 准教授 (90610808)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード合意外規範 / 契約外規範 / 合意に基づく秩序 / ネクサス / ネットワーク
研究実績の概要

本年度は、契約外的規範の導入に向け、主に二つの方向から研究を進め、一部を公表した。
第一に、契約外的規範の導入に向け、そもそも何が契約内的であり、何が契約外的であると言えるのか、その基準は何が、労働法分野においては労働契約概念をどのように位置づけるべきか、といった根本的な問題について研究をした。その結果、契約の形成と内容の構成において、合意と合意外規範とが存在し、そして、その合意と合意外規範の観点から契約規範と契約外的規範の位置づけが明確にされるべきことを明らかにした(山口經濟學雑誌にて公表予定)。
第二に、契約外的規範、とりわけ、イギリス労働法におけるネクサス概念、ネットワーク概念の展開の研究を進めた。まず、契約外的規範が必要とされる歴史的、制度的、社会的背景について研究を進めた。また、契約外的規範の一類型としてのネクサス概念については、その概念提示を支える方法論、正当化根拠、非典型雇用等による就労形態に与える具体的な意義、など詳細な検討を行い、これが労働者のパーソナリティという労働法独自の法規範に依拠する、契約外的関係性に対する、労働法的アプローチと位置づけられるものとした。
他方で、契約外的規範のまた別の類型としてのネットワーク概念についても、ネクサス概念と同様の観点から考察を行ったところ、それがより純粋に契約法の展開をベースにしたものであること、したがって、労働法分野における契約外的関係性への契約法的アプローチとして位置づけられる、とした。
両方にそれぞれメリットデメリットはあるものの、目指される方向としては、両者の折衷あるいは、ネクサス概念によるアプローチであると現在のところ結論するに至った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 労働契約の終了と合意――労働契約における合意の「共時的構造」と「通事的構造」2015

    • 著者名/発表者名
      新屋敷恵美子
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 245 ページ: 105-120

  • [雑誌論文] 労働契約法理と限定正社員――「限定」性を形成する合意の労働契約法理上の意義2015

    • 著者名/発表者名
      新屋敷恵美子
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 87巻2号 ページ: 16-23

  • [雑誌論文] 労働契約における合意と債権法改正――労働契約の成立の場面を素材として2014

    • 著者名/発表者名
      新屋敷恵美子
    • 雑誌名

      日本労働法学会誌

      巻: 123 ページ: 19-38

  • [雑誌論文] 判例研究 賃金改訂条項の有効性と賃金減額に関する黙示の合意の成否 : NEXX事件・東京地判平24.2.27労判1048号72頁2014

    • 著者名/発表者名
      新屋敷恵美子
    • 雑誌名

      山口經濟學雑誌

      巻: 63巻1・2号 ページ: 51-68頁

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi