インクルーシブ教育の理念は、日本の障害児教育法制の法原理になったと考えられるが、それを構成する〈共生・包容〉と〈教育の質・適切性〉 の保障、合理的配慮の解釈をめぐって混沌とした状況が続いている。たとえば、文科省は「インクルーシブ教育」、「合理的配慮」を制度に反映するにあたって、既存の制度を前提とした日本特有の意味づけを行っており、共生・包容の目的が後退せざるを得ない仕組みを想定していると考えられる。 本研究においては、アメリカの障害児教育法制におけるインクルーシブ教育、合理的配慮の在り方を素材として、文科省が示す「インクルーシブ教育」、「合理的配慮」の特殊性について分析を行った。
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