研究課題/領域番号 |
24730057
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡邊 健 山口大学, 人文学部, 准教授 (40356209)
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キーワード | 犯罪社会学 |
研究概要 |
「犯罪の重大性の認識」に関する犯罪学的研究は、Sellin and Wolfgang(1964)以降今日まで、犯罪研究において盛んに行われてきた。しかし、日本では、裁判員制度の導入で一般市民の犯罪に対する認識があらためて問われるようになった今日においても、この領域の研究の蓄積は乏しい。 そこで本研究では、「犯罪の重大性に関する認識」とその規定因について解明するとともに、犯罪の重大性に関する知見を、自己申告非行尺度に関する研究代表者自身の研究知見と接続し、犯罪の重大性と犯罪の実行困難度との関係について、理論的な検討を行うものである。 今年度は、犯罪の重大性の認識に関する犯罪学・社会学・心理学等の関連諸領域の先行研究の包括的な収集・把握を引き続き進めるとともに、国内の先行研究を参考にしつつ、Sellin and Wolfgang(1964)と彼らのその後の研究において使用された調査票の日本語への翻訳を進めた。また、自己申告非行を用いた国内の既存研究のレビューを行ったうえで、妥当性があり、かつ簡便に使用できる(項目数が多すぎない)自己申告非行尺度の検討も進めた。さらに、本研究と連動する形で、少年矯正施設(少年院)における調査票調査を進めた。 以上の検討の結果の一部は、関連学会での報告、報告書原稿(次年度6月までに刊行予定)として結実している。また、本年度出版された学術書『現代日本の少年非行――その発生態様と関連要因に関する実証的研究』にも反映されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書における「研究実施計画」に記載された内容をおおむね満たしているため。
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今後の研究の推進方策 |
犯罪の重大性に関する認識とその規定因を明らかにするための調査票調査を実施し、研究代表者自身の研究を含む内外の先行研究の知見とあわせて総合的な考察を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
より効率的な研究費の使用と研究上の意義を高めるために、本年度は本研究と連動するかたちで少年矯正施設(少年院)における調査票調査を先行的に進め、当初本年度に予定されていた「犯罪の重大性に関する認識とその規定因を明らかにするための調査票調査」を次年度に実施することとしたから。 発生した「次年度使用額」と「26年度請求額」を合わせて、26年度は、調査委託費に約160万円、図書費に約10万円、旅費に約37万円を使用する計画である。
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