研究実績の概要 |
今年度も、「法学協会雑誌」における研究成果の公表作業を、引き続き行った。今年度は、昨年度までに公表した、フランス古法から民法典制定後の19世紀のフランス法学説についての研究の成果を前提として、法継受後現在に至るまでの日本の法学説に分析を加え、さらにそのうえで日本法に対する示唆を析出して、申請時の計画通り、連載を完結させることができた。 これに加えて、申請時の研究計画に従い、昨年度に引き続き、18世紀フランスにおけるローマ法学の文献であるPothier, Pandectae Justinianae in novium ordinemの読解も行った。その上で、そこに示されているローマ法源解釈と、16世紀末フランスのLoyseau, Traicte de deguerpissement et delaisssement par hypothequeに断片的に現れていたローマ法源解釈とを比較して分析を加え、その成果を「法学」で公表した。 また、申請時の研究計画にはなかったが、2015年9月にパリで予定されている日仏共同研究会Journees franco-japonaises(Association Henri Capitant, ARIDA et IRDA)にて、本研究の成果をフランスの研究者に向けて報告することが認められ、共同報告者を引き受けていただいたChristophe Vernieres教授(パリ第8大学)と、そのための打ち合わせを行った。
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