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2014 年度 実績報告書

相続法における清算制度と遺産管理

研究課題

研究課題/領域番号 24730076
研究機関金沢大学

研究代表者

宮本 誠子  金沢大学, 法学系, 准教授 (00540155)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード民法 / 相続 / フランス法 / 遺産共有 / 財産管理 / 遺産分割 / 相続債務 / 清算
研究実績の概要

1、フランス相続法における相続債務の扱いに関する研究を継続して行った。(1) 判例及び1976年12月31日の法律による民法典815条の17によって、実質的に遺産の清算がおこなわれていること、このような処理は、遺産が1つの財産体として相続人により管理されているという視点で理解することにより可能になることを明らかにした。この内容は昨年度中におおむねまとめていたが、論文として完成させ、近刊予定となっている。(2) さらに、相続債務の処理に際して生じる相続人間の求償が、わが国では問題となり得るところ、フランスでは最近の判例が815条の17の解釈として処理していることも明らかにした。相続債務の扱いは、法務省内に設置された相続法制検討ワーキングチームでも検討された、現在最も重要な課題の1つである。母法であるフランス相続法の現在の考え方を明らかにした本研究は極めて参考になると思われる。
2、1の成果を踏まえ、わが国の相続法制度のもとで、遺産を清算する可能性について検討を重ねた。また、遺産を清算する可能性を探るためには、相続債務のみならず、それを弁済するための積極財産・他の消極財産を総合的に検討しなければならないため、判例分析等をする際にも、遺産管理に留意しながら検討を重ねた。わが国において遺産の清算を実現するためには、立法的課題があり、相続債務と遺産分割との関連等も検討する必要があることが明らかともなった。残された課題については、今後も研究を継続する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 委託者指図型投資信託受益権・個人向け国債の共同相続2015

    • 著者名/発表者名
      宮本誠子
    • 雑誌名

      判例セレクト2014[Ⅰ]、法学教室

      巻: 413号 ページ: 24

  • [雑誌論文] 金銭債権の共同相続2015

    • 著者名/発表者名
      宮本誠子
    • 雑誌名

      水野紀子=大村敦志編『民法判例百選Ⅲ親族・相続』、別冊ジュリスト

      巻: 225号 ページ: 132-133

  • [雑誌論文] 共有・遺産共有併存時の全面的価格賠償による共有物分割と賠償金の保管義務2015

    • 著者名/発表者名
      宮本誠子
    • 雑誌名

      新・判例解説watch

      巻: 16号 ページ: 97-100

  • [雑誌論文] 共有・遺産共有併存時の全面的価格賠償による共有物分割と賠償金の保管義務2014

    • 著者名/発表者名
      宮本誠子
    • 雑誌名

      新・判例解説Watch 民法(家族法) (文献番号 z18817009-00-040741090)

      巻: No.74 ページ: 1-4

  • [図書] 小川富之=遠藤隆幸編『ロードマップ民法5 親族・相続』2015

    • 著者名/発表者名
      宮本誠子ほか分担執筆、「14 遺産共有」「15 遺産分割」担当
    • 総ページ数
      188-214
    • 出版者
      一学舎
  • [図書] 水野紀子=窪田充見編『財産管理の理論と実務』(仮)2015

    • 著者名/発表者名
      宮本誠子「相続債務の処理」
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      日本加除出版
  • [図書] 『各国の相続法制に関する調査研究業務報告書』2014

    • 著者名/発表者名
      幡野弘樹・宮本誠子、第2章フランス法担当、分担執筆
    • 総ページ数
      31-35, 36-41
    • 出版者
      商事法務研究会

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公開日: 2016-06-01  

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