金融機関の破綻において、経営者は責任を問われることがある。もっとも、金融規制当局も例外ではない。英国やドイツでは、金融機関の破綻は、規制当局に対する責任追及を惹起している。他方で、米国法では、1980年代のS&L危機および2007年のサブプライムローン危機において、規制の先送りが広く問題となっている。そのため、本研究の目的は、米国における規制の先送りと金融危機を検討することである。検討を行った結果、現行の規制・監督の法的枠組みにおいて規制の先送りにつながる構造的な問題があることが明らかになった。
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