団体が何らかの形で内部分裂をした場合に、元の団体が保有している権利、あるいは、分裂後の団体との間で共有している権利の利用関係について、需要者の立場に着目して研究を行った。研究の結果、内部分裂事例については、知的財産権の性質により、求められる帰結が異なることが判明した。 著作権に関しては、内部分裂の紛争当事者間の内部関係の問題にかかわらず、著作物の利用をさせる必要性があることがわかった。商標権については、内部分裂に関して多数の事例が存在し、いくつかの類型に分類することができた。いずれの類型においても、需要者が出所混同しないよう、商標の使用を一本化させることが求められることがわかった。
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