パブリシティ権は氏名や肖像といった人格情報の経済的な側面を保護する権利である。本研究は、明文の規定のないパブリシティ権の認知過程を整理し、黎明期、成長前期、成長後期に区分したうえ、今後は発展期に入ることを明らかにした。また、認知過程の分析から、パブリシティ権の人格権でもあり知的財産権でもある性質を踏まえ、支分権化を提案した。これにより、パブリシティ権の一部は本人の死後も存続する余地が残され、本人以外で情報に付加価値を付けた者が、当該情報から産み出される利益の帰属先になる可能性も生ずる。パブリシティ権をとおし、人格情報で、かつ経済的価値のある情報(知的財産)の保護の在り方を示すことができた。
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