アジア主義については、個別の思想家についての研究は多く存在するものの、その全体像を捉える議論はなかなか見当たらない。この状況を打破し、新たな視座を持つアジア主義研究を提示すべく『アジア主義―その先の近代へ』(潮出版2014)をまとめた。 また、昭和初期にアジア主義を推進した大亜細亜協会を論じるため、その中心人物である下中彌三郎の思想と行動を明らかにする伝記『下中彌三郎―アジア主義から世界連邦運動へ』(平凡社2015)を発表した。大川周明をはじめとする国家主義的革新派は、昭和初期のテロ・クーデター事件に関与したが、その思想的背景を明らかにするために『血盟団事件』(文藝春秋2013)を発表した。
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