研究課題/領域番号 |
24730111
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野村 康 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00360793)
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キーワード | 圧力団体 / 環境運動 / 自然保護 / NGO / 捕鯨 |
研究概要 |
本年度は前年度の調査が長引いた関係で、引き続き和歌山県太地町の沿岸捕鯨反対について研究を行い、その結果を元に論文を執筆した。(「民主政と越境的直接行動―太地町における反捕鯨活動の批判的考察―」人間環境学研究 11巻2号, 2013, pp. 91-105として発表。) この論文は、米国に拠点を置くシー・シェパード・コンサベーション・ソサエティが中心となって展開する、「直接行動」と呼ばれる抗議活動戦略が、越境的な形で展開すること(特に、現地の支援を受けない形で展開すること)の政治的正当性について、「市民的不服従」の議論を踏まえながら検討し、本研究の目的である民主的な環境ガバナンスのあり方について考察したものである。本稿の考察を通じて、「グローバル市民社会/トランスナショナルなシチズンシップ」「環境NGO研究」「捕鯨問題研究」「環境政治過程研究」について、今後の研究につながる示唆・知見が得られた。 また本年度は、こうした実地調査とあわせて、自然保全・動物保護分野の主要な環境NGOについての基礎的調査を、文献の収集・分析を中心に継続して行った。 しかしながら、本年度行うことになっていた国内の環境保護団体(反捕鯨団体)や国内の関係主体に対する聞き取り調査は進んでいない。次年度は、こうした遅れを挽回しつつ、成果を上げる必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
論文等の成果発表は第三事業年度(=次年度)に行う計画であったことから、一本ではあるものの論文を発表できたことは、予定よりも早い。 しかしながら、本年度やるべきだった調査が出来ていないことから、達成度合いとしては「遅れている」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、当初の計画通り本研究を進めるために、早い段階から他の仕事を整理して時間を確保したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の研究に遅れが生じ、主なコストとして考えていた現地調査の回数が少なくなってしまったため。 現地調査に力を入れて本年度生じた遅れを取り戻すとともに、次年度の活動も計画通り行うために、予算を使う予定。
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