現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究計画に記したとおり、来年度の独自のインターネット実験に向けて、既存の世論調査データの記述的な分析と、理論構築とを行った。まず2008年から2011年にかけての行われた複数の世論調査データを用いて、有権者の政党に対する期待、失望の関連、他の政治意識・行動変数との関連について記述統計やクロス表や散布図をもとに予備的な分析を行い、データの全体の把握を試みた。 次にそこで得られた知見をもとに、理論構築を行った。その際の指針として、過去の業績評価が現在の投票に影響を与えるというretrospective voting の理論(Fiorina 1981)や、過去の経験によって現在の行動が変化するというadaptive learningモデル(Bendor, Diermeir, Ting 2003, Fowler 2007)、感情と理性を接合を試みるaffective intelligenceの理論(Markus, Neuman, McKuen 2000)を参照した。 最後に、その理論をもとに有権者のリスク態度が野党への投票行動を促すメカニズムに関する仮説を導き出し、2012年総選挙のデータで検証した。その成果を2012年3月のアメリカ西部政治学会で発表した。
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