研究課題/領域番号 |
24730118
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
茂木 康俊 広島大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (00452805)
|
キーワード | 業績予算 / 政策評価 / 行政評価 / 目標の曖昧性 / 行政学 / 独立行政法人 / GPRAMA / 公共組織 |
研究概要 |
平成25年度は、まず総務省の「地方公共団体における行政評価の取組状況」の二次分析を行った。「地方公共団体における行政評価の取組状況」は平成11年度から総務省によって行われている全国の地方自治体の政策評価導入状況についての調査結果であり、「行政評価の導入状況」、「評価結果の公表状況」、予算編成への活用を含む「評価結果の活用方法」、「行政評価の成果」などについて全国の地方自治体に対しアンケート調査を行い、その結果を集計しまとめたものである。この調査を行っている総務省に対し情報公開法に基づく情報公開請求を行った結果入手した、地方自治体ごとの個別データが記載されているエクセルデータをを基に、二次分析を行いその内容を学会の研究会において研究報告を行った。 この「地方公共団体における行政評価の取組状況」の二次分析に基づき、業績予算や政策評価に関して先行している自治体の抽出や政策評価に関する課題の特定を行った。その結果、政策評価の目標や指標について制度運用面での重要性を認識するに至った。そのような目標や指標の問題について、米国の行政学・組織理論における公共組織の目標の曖昧性(Goal Ambiguity)の議論に着目し、この目標の曖昧性の問題について統計手法であるテキストマイニングを用いて我が国の独立行政法人について分析を行い、その結果を学術専門雑誌に公表した。なお、上述の二次分析で調査対象の自治体の絞り込みを行ったのは、対象自治体の負担を軽減するためである。本年度の予備調査で抽出された先進自治体については次年度インタビュー調査などを行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画において、平成25年度は地方自治体の政策評価や行政評価について二次分析を行うと記載している。その内容の一部を学会の研究会で報告したことに加え、本年度までの研究で浮かび上がってきた政策評価・行政評価の課題としての公共組織の目標の曖昧性について学術専門雑誌に成果を公表できたためである。
|
今後の研究の推進方策 |
交付申請書の研究実施計画において、平成26年度は中国・四国地方を含め自治体に対し、アンケート調査を行い業績予算の現状について検討を行うと記載している。それに加えて、前年度までの研究で抽出した政策評価・行政評価に関する先進自治体について定性的なインタビュー調査を行い、定量的なアンケート調査の結果と合わせ、業績予算や政策評価について現状と課題を明らかにしたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由は、研究計画の実施の都合上地方自治体へのインタビュー調査の一部について本年度の実施を見送ったためである。 次年度はアンケート調査の実施と研究成果のとりまとめが、研究実施計画の中心である。次年度使用額は本年度一部見送った地方自治体へのインタビュー調査の実施にあてたい。
|