研究課題/領域番号 |
24730125
|
研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
菅原 光 専修大学, 法学部, 准教授 (90405481)
|
キーワード | 思想史 / 政治学 / 政治思想史 / 法秩序論 / 明治史 / 統治 / 社会 |
研究概要 |
「社会」という訳語が確定する以前、最も早くこれに相当する語を発明した西周、津田真道らの、「相生養之道」「人間社交之道」という語と、その際に念頭にあった原語である、オランダ語の“maatschappij”についての調査を続けてきた。 “maatschappij”というオランダ語概念の特徴、特に西、津田が直接師事したフィッセリングにおける“maatschappij”観を解明すると共に、彼らによる訳語選定の特徴と意義を明らかにしようとつとめてきた。 「現在までの達成度」欄に記載した理由から、津山での津田真道関係史料調査、ライデン大学でのフィッセリング関係史料調査、長崎での福地桜痴関係史料調査のための、予備的な調査を行うための出張を実施することは不可能だったが、基礎的な調査、検討を順調に行った。 その研究成果は、「「文明開化」と「進化論」」(黒住真ほか編『岩波講座 日本の思想』第四巻、岩波書店、2013年)の他、法政大学で開催された、2013年度日・韓政治思想学会共同学術会議における「多文化主義と言語という問題」などで発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5月に妻の切迫早産が発覚して以降、絶対安静で寝たきりとなった妻の介護、5歳の娘の育児、一切の家事を担わなければならなくなったため、史料調査のための出張を思ったように遂行することができなかった。 ただし、既に論文1本を発表した他、近刊予定の論文1本を脱稿済みであるなど、その状況の中でも行い得る研究は遂行し、その成果もあげられている。「計画通りに進展している」とまでは言えないが、「おおむね」ということで言えば、順調に研究を進められていると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度の研究として計画していた、津山での津田真道関係史料調査、ライデン大学でのフィッセリング関係史料調査を行いたい。 また、“society”の定訳語として確立した「社会」という用語を発明した福地桜痴の発想に焦点を定め、基礎的な史料調査も行いたい。 なお、今年度までの研究成果の一部を、8月にスロヴェニアで開催されるヨーロッパ日本研究学会で発表する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
5月に妻の切迫早産が発覚して以降、絶対安静で寝たきりとなった妻の介護、5歳の娘の育児、一切の家事を担わなければならなくなったため、史料調査のための出張を思ったように遂行することができなかったため。 前年度行う予定だった史料調査出張を、今年度の計画に加えて実施する。
|