研究課題/領域番号 |
24730131
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研究機関 | 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構 |
研究代表者 |
善教 将大 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 研究調査本部, 主任研究員 (50625085)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 政治への信頼 |
研究概要 |
本研究の目的は、政治的信頼に係る指標あるいは操作的定義の妥当性について、日本の有権者を対象とする意識調査を用いた実験的な手法より実証的に検討することである。本研究は次の2点で既存の研究とは異なる特徴をもつ。第1にサンプルスプリットを用いた実験的手法による質問文および回答の妥当性を検討する点である。第2に、自由記述回答を用いた質的な分析についても行う点である。これら2点の特徴より、これまで用いられてきた操作的定義の問題点や課題が明らかになると同時に、曖昧にされてきた政治に対する「信頼」あるいは「不信」の意味を明確化することができる。本年度は、当初の計画通り、前期(2012年4月~9月)の間に、サンプルスプリットを用いた実験的手法ならびに政治への信頼に関する書籍・資料等の網羅的なサーベイを行い、後期(2012年10月~2013年3月)には上述したサーベイを基とする意識調査を2012年12月に実施した。アンケート調査は株式会社楽天リサーチに委託する形で実施し2000人から回答を得ている。ただし、上記の通り本研究の目的はサンプルスプリットによる政治的信頼指標の妥当性の検討を行うところにあるため、政治への信頼に関する質問については、AからDまでの4つの異なる質問票を用いている。この点にくわえて政治への信頼あるいは不信に関する理由を自由記述形式で尋ねる回答も設けている。さらに信頼以外の質問についても多数設けることで、信頼研究にとどまらず広く政治意識・行動研究を行うことができるデータとなるようにも配慮した。データ分析および研究成果の発信は、さらなる文献調査などを進めつつ次年度以降に行っていく予定であるが、一部の結果については、既に雑誌等を通じて発表・報告済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画においては、平成24年度は第1にサンプルスプリット、実験的手法、政治への信頼あるいは政治意識研究全般に関する網羅的なサーベイを行ったうえで、第2にそれを基とするアンケート調査の分析を行うことであった。これらの当初の目的についてはいずれも十分に満足できる形で達成することができた。しかし、これらを行うにとどまらず、筆者は国内のジャーナルを通じて、政治意識調査を用いた分析の結果を既に実施、公表している。くわえていえば、このデータを用いた分析結果を2013年度選挙学会および国内の学会誌で報告・公表することについても確定している。以上の実施状況より、当初の計画以上に当研究は進められていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、前年度に実施した意識調査を用いた研究を引き続き進めていくとともに、研究成果の発信についても積極的に行っていく。具体的には、第1に政治への信頼に関するさらなる文献調査、第2にアンケート調査を用いた操作的定義の妥当性の実証的検討、第3に研究会・学会報告等を通じての研究成果の発信、第4に査読付き学術誌への投稿を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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