本研究は、既存資料の再検討や新規資料の発掘によって、いわゆる事前審査制に関して分析を加えた。第一に、自由民主党の党組織がどのように変容したか、1955年以降から1960年代半ばまでを対象とし、検討した。第二に、自由民主党における政策決定過程、いわゆる事前審査制の形成過程を検討した。その際、外交や内政、とりわけ警察制度改革といった個別の政策課題を取り上げて、政策の形成過程を把握することに努めた。結果として、政府与党関係を安定させるための政策決定システムとして、いわゆる事前審査制が定着するにいたったことが明らかになった。
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