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2013 年度 実施状況報告書

破綻国家における平和構築と国家建設に資する一次産品のグローバル・ガバナンス

研究課題

研究課題/領域番号 24730138
研究機関千葉大学

研究代表者

妹尾 裕彦  千葉大学, 教育学部, 准教授 (70451739)

キーワードカカオ / ココア / バリューチェーン / 磨砕
研究概要

本年度は、熱帯産一次産品農産物の一角を占めるカカオに関して、当初の想定よりも大幅に研究を前進させることができた。具体的には、以下のような成果を得られた。
第一に、世界3位のカカオ生産国であるインドネシアの北スマトラ州に足を運び、カカオ農家を訪問するなどして、ヒアリングを含めた現地調査を行った。インドネシアおよびこの地域では近年、カカオ生産が衰退傾向にあるが、今回の調査によって、衰退の原因や農家の直面している課題、さらにカカオから他作物への転換動向等について把握できた。
第二に、カカオに関する統計データや文献資料の収集を、精力的に行なった。とくにインドネシアのカカオ生産に関しては、アジア経済研究所、東大東洋文化研究所、一橋大経済研究所、京大東南アジア研究所・経済学部などの図書館・図書室を訪問し、19世紀末から今日に至る長期的な統計データをかなり収集することで、データベースも作成できた。
第三に、上記の二つの成果も踏まえつつ、カカオの生産・流通・加工・消費をめぐる国際的な諸動向と、そこに内包されている構造や幾つかの論点について、バリューチェーンの視角から、またコーヒーとの比較をふまえながら、解明・検討した。この成果については論文として取りまとめ、大学の紀要に投稿した結果、年度末に刊行されるに至った。
第四に、上記の第一・第二の成果に依拠しながら、インドネシアのカカオ産業が現在直面している危機と今後の変容の方向性を、歴史的視角から解明した。この成果についても論文として概ねまとめ上げたため、現在、学術雑誌へ投稿するための作業に入ったところである。
なお、一次産品・資源の呪い・グローバル政治経済・途上国政治経済などに関する文献の収集も、前年度に引き続き行なったほか、国際経済論・国際関係論・国際開発論の研究者との間で、研究会を持つなどしてディスカッションにも努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画の2年目である今年度(2013年度)については、上にも記したように、当初の想定を大幅に超える成果を挙げることができた。とはいえ、初年度である前年度(2012年度)に諸般の事情で計画からの遅延を余儀なくされ、これを完全に取り返すまでには至っていないため、「やや遅れている」としておく。

今後の研究の推進方策

研究計画の3年目である次年度(2014年度)は、エフォートを劇的に向上させることができるので、前年度までの遅れをさらに取り戻せると考えている。また、2年目である今年度に入ってから、研究のスピードが徐々に高まっているので、この勢いを最大限に生かす。資料やデータの収集、文献の検討、ヒアリング調査などを随時必要に応じて進めていく。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額が生じた理由は、上に述べているように達成度がすこし遅れているからである。
現在、学術雑誌へ投稿する作業に入った論文に関しては、英語で公表することを考えている。その際、ネイティブ・スピーカーによる助けを借りる必要があるので、このことに相応の研究費を支出する予定である。また、一次産品やグローバル・ガバナンスに関するデータや資料の収集のほか、関連する文献の購入やヒアリング調査、さらに学会発表の旅費などにも支出することを予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 「バリューチェーンの視角からみる世界カカオ産業の構造と動態(1950-2012):コーヒー産業との比較もふまえて」2014

    • 著者名/発表者名
      妹尾裕彦
    • 雑誌名

      『千葉大学教育学部研究紀要』

      巻: 62 ページ: 309-328

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公開日: 2015-05-28  

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