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2012 年度 実施状況報告書

破綻国家の生成・再建と越境関係:MASとGISの結合

研究課題

研究課題/領域番号 24730139
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

阪本 拓人  東京大学, 総合文化研究科, 助教 (40456182)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード破綻国家 / 紛争 / 平和構築 / マルチエージェント・シミュレーション / 地理情報システム
研究概要

越境関係と国家破綻との関係を探る本研究の研究手法は、地理情報システム(GIS)データを介して現実国家と緊密に対応付けた仮想的国家において、越境関係(近隣諸国との関係や国境外からの社会集団・政治集団の影響)を中心とする条件を広範に操作しながら行うマルチエージェント・シミュレーション(MAS)である。初年度となる平成24年度は、このシミュレーションを行うための基盤整備に多くの時間を割いた。具体的には、シミュレーションのインプットとして用いる北東アフリカ各国の民族・宗教分布、人口分布などのGISデータを、研究補助者の助力も得ながら、互いに接合することで、複数の仮想国家の相互関係・相互作用をシミュレーションに明示的に組み込めるようになった。また、これに応じて、MASモデルの仕様の変更や拡張も行い、たとえば、社会集団や政治集団を仮想国家の領域外に沿って固定的に配置する「境界条件」を加えたシミュレーションを行うことができるようになった。こうした研究基盤の拡充は、モデルやデータの他の改良・拡張とともに、JICA研究所などの研究会の場で実務者や地域研究者の助言も得ながら行った。一連の結果は、同研究所のワーキングペーパーとして公刊されている。また、アジア経済研究所・東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム・東京大学グローバル地域研究機構アフリカ地域研究センター主催「TICAD Vのためのアフリカ開発講座」等の場で研究内容を広く紹介する活動も行った。そのほか、仮想国家を用いた紛争や国家破綻の研究を包括的に紹介する英文の論文の執筆も進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書において平成24年度の目的として掲げた研究基盤の整備、すなわちGISデータとMASモデルの拡充という作業は、上記の通りおおむね達成された。ただし、交付申請書に記載した作業項目のうち、結合したGISデータの精度向上、さらに複数の仮想国家の紛争動態を互いに作用させながら並列的にシミュレートする拡張については、完遂することができなかった。

今後の研究の推進方策

今後はまず、GISデータの精度向上や仮想国家のシミュレーションの並列的実行の仕様整備など、平成24年度より持ち越された作業項目の遂行に力を注ぎたい。これらの作業が終わり次第、交付申請書に記載した平成25年度の作業計画の実行に移る予定である。すなわち、拡張された仮想国家のプラットフォームにおいて、さまざまな越境関係を設定したシミュレーションを実行し、出てきた結果の分析を行っていきたい。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Conflict Analysis in Virtual States (CAVS): A New Experimental Method Based on the Extensive Use of Multi-Agent Simulation (MAS) and Geographical Information System (GIS)2013

    • 著者名/発表者名
      Takuto SAKAMOTO
    • 雑誌名

      JICA Research Institute Working Paper

      巻: 56 ページ: 1-27

    • 査読あり
  • [学会発表] 紛争と平和のシミュレーション分析:アフリカの角を事例に

    • 著者名/発表者名
      阪本 拓人
    • 学会等名
      アジア経済研究所・東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム・東京大学グローバル地域研究機構アフリカ地域研究センター主催「TICAD Vのためのアフリカ開発講座」
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区)

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公開日: 2014-07-24  

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