武力紛争に伴う国家の領域的まとまりの喪失という問題を、マルチエージェント・シミュレーション(以下MAS)と地理情報システム(以下GIS)を統合的に活用することで実験的に分析してきた。 特に、本研究では、スーダンやソマリアといった北東アフリカ地域の国々を事例に、国境を越える様々なアクターからの影響(たとえば、財政援助、平和構築活動、ゲリラ浸透など)が紛争の空間動態にいかに作用するかに焦点をあてた分析を行ってきた。研究成果は、いくつかの学術論文や学会報告のかたちで公表されたほか、国境を越える相互作用を取り込みながら紛争を分析できるMASモデルが、学術上の資産として残された。
|