近年、製品規格などの国内標準をグローバルな標準にするべく各国の動きが盛んになっている。本研究は、電子機器の環境規格を具体的な事例として、国際標準化めぐるEU(ヨーロッパ連合)の戦略の背景を明らかにすることを企図したものである。グローバル・レベルを意識したEUの標準化策定の政治過程について、本研究は、欧州委員会、産業界、ドイツなどの加盟国、環境NGOなどのアクターの行動を検討した。そして、EUの標準化システム形成の過程は、専門技術的なルール以上の政策枠組みとして「標準化」が新たな意味を帯びるようになり、アクターの利益認識を再構築していく過程であったことを明らかにした
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