本研究は、2011年のアラブ革命を研究の出発点に据えながら、グローバル/トランスナショナルな関係からいっそう注目されるように なった中東地域のジェンダー秩序について権力の観点から考察しようとするものである。本研究では、申請者がこれまで研究対象としてきたサウディアラビアを中心に据えつつ、同時にアラブ革命の影響を大きく受けた国、そうでない国のジェンダーの動向にも着目し て研究を遂行することを目的としている。 研究期間を通じて、(1)アラブ革命に関する文献収集および読解を行った。(2)エジプト、チュニジア、サウディアラビア、バハレーン、レバノン、カタル、アラブ首長国連邦において現地調査を実施した。これらに基づき、(3)国内外の学会および論文やエッセイを通じて研究成果を発表した。また、現在、エジプト、チュニジア、サウディアラビア、バハレーン、モロッコを対象にアラブ革命とジェンダー秩序について考察する著書を執筆中である。さらに(4)講演会やエッセイを通じて本研究に関するアウトリーチ活動を行った。
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