研究実績の概要 |
研究期間の最終年度につき、これまでの研究成果の総括および国際紛争研究機関の研究員との意見交換をおこない、資源開発と紛争に関する包括的な論文作成を実施した。平成26年度の上半期においては、政情不安が続き、安定性が確保されないこと(外務省渡航安全情報:退避勧告(北緯15度以北)及び渡航延期勧告(ニアメ周辺地域)、2014年7月14日時点で継続)から当初計画していたニジェール共和国の現地フィールド調査の実施を延期し、隣国モーリタニアとセネガルへの現地フィールド調査を実施(2014年2月18日~3月2日:但し、調査費用は他の研究費を援用)した。 モーリタニアはニジェール、マリと同様に過激イスラーム主義の活動領域に指定されていることや、セネガルでは積極的な我が国による援助プロジェクトが実施されているため、西アフリカ地域が直面する政策課題、治安問題及び我が国の援助実績に基づく開発状況の具体的な進捗を把握することができた。同調査結果で得られた知見を援用して、新興産油国であり、今後の政情不安が懸念されるチャド共和国とニジェール共和国の石油資源開発とその政治経済的影響について発展的な研究論文を発表することができた。 また、平成26年度下半期においては、すでに本研究課題が採択される前に実施したマダガスカル共和国の資源開発調査(2011年9月3日~9月12日)で得られたデータに基づき、本研究課題で提示した仮説の論証をおこない研究論文として発表した。さらに本研究で得られた研究成果の論理的客観性を向上するために世界的な紛争研究機関であるウプサラ大学平和紛争研究センター(Department of Peace and Conflict Research, Uppsala Universitet)を訪問し、研究員と意見交換をおこなった。
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