本研究の成果は、類縁集団を基底としたグローバル・ジャスティス運動が世界政治に与えている影響を明らかにしたことである。本研究では、フローバル市民社会としてNGO以外にもオキュパイ・ウォールストリートや香港の抗議行動等、サイバースペースでの紐帯を活用した世界規模で見られる類縁集団ベースの運動を「社会運動2.0」と名付けて分析した。そこではグローバル・ジャスティス運動が、国際規範の形成と強化に寄与しており、これら新たな直接民主主義の波による国境のきわを越えた国際規範形成につき「社会運動のクラウド化」という概念を用いて説明し、現行のヘゲモニーや国際秩序への変更を求める同運動の特徴と動態を理論化した。
|