一つ目の成果は、サ講和期の沖縄帰属問題に関する在ハワイと在東京の沖縄人の連携と温度差を明らかにしたことである。「復帰」支持を表明していたハワイ沖縄移民の意見を分析し、両地域間の連絡が密であった様子とともに「復帰」で東京と意見を一にしていた彼らの支持理由が抽象論に留まる事実に光を当てた。 二つ目は、在日沖縄人の「復帰」支持の背景にGHQ占領下の朝鮮人の抑圧を見出し、実証を試みた点にある。東京をしのぐ沖縄人集住地・関西を中心に、朝鮮人と沖縄人の法的地位や自己認識における類似性と差異を調査し、「非日本人」として弾圧対象化された朝鮮人の存在が沖縄人の「日本国籍」希求を方向付けた可能性を検討した。
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