本研究では、東南アジア地域の人身取引問題に対する重層的なガバナンスを形成する諸制度・諸アクターの取り組みと関係の分析、および市民社会組織による活動のガバナンスにおける役割の分析を実施した。特に、地域機構のアセアンの取り組みと、フィリピンや日本といった一国の政府および市民社会組織の取り組みに焦点を当てた。フィリピンにおける文献収集や聞き取り調査と日本における調査によって収集した情報の分析により、重層的ガバナンスの構造、ガバナンス形成の進捗状況、市民社会組織の役割、ガバナンスの問題点、人身取引対策の今後の課題などを明らかにした。
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